ヤヌス(Janus)は、土星の衛星の一つで第10衛星(Saturn X)である。名前はローマ神話の出入口と扉の双面神ヤヌスに由来する。
エピメテウスと、公転軌道を共有している。
発見の経緯 [編集]
土星の10番目の衛星は、20世紀初頭にその発見が報告されていながら、長らくその存在が確認されなかった幻の衛星だった。
19世紀末に、アメリカの天文学者ウィリアム・ヘンリー・ピッカリングが第9衛星フェーベを発見したが、程なくしてピッカリングは自分が撮影した写真乾板より新たな衛星を発見したと主張し、テミスと名づけられた。ところがその後、誰もテミスを確認することができなかった。そのため、テミスはピッカリングの誤報だったとされている。
テミス騒動より60年後の1966年になって、フランスの天文学者オドゥワン・ドルフュスによって新たな衛星の発見が報告された。当初テミスの再発見かと思われたが全く別の衛星で、ヤヌスと名づけられた。これで土星の第10衛星が実在することが確認されたのである。 ところがヤヌスもテミス同様、同年のウォーカーらの報告を除いて、その後誰にも確認されることがなく、またも幻の衛星なのか、土星には第10衛星は存在しないのかと悲観的な見方が強まった。ウォーカーらが報告したものはヤヌスと公転軌道を共有する別の衛星であったことが判明しており、エピメテウスと名づけられている。
問題の解決を見たのは、1979年から1980年にかけて行われた惑星探査機パイオニア11号による土星探査ミッションによってであった。この間、パイオニア11号は幾つかの新衛星を発見しており、その後の分析でうち3つの衛星は同一のものであり、更にこれがドルフュスが発見したヤヌスと同じものであることが判明した。そのため、パイオニア11号の接近の際にヤヌスは3回も発見されたことになり、最初に発見されたときのものと合わせて4つの仮符号を持つことになった。 これでようやく、ヤヌスの実在が確定したのである。
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